Project
Hokkaido University
数理・データサイエンス・AIはデジタル社会の基本的な素養として、文理を問わず全ての学生にとって、あらゆる分野で活躍するために必要となる知識・技術であり、AI・ビッグデータ・IoT等の急速な技術革新とともに、社会のあらゆる場面でデジタル・トランスフォーメーションが進む中、その必要性は益々高まっています。 文部科学省は令和3年12月に、全国の国立大学の中から数理・データサイエンス・AI教育強化を推進する大学について、「大学の数理・データサイエンス教育強化方策推進検討委員会」において各大学の取組に対する評価を実施したうえで、拠点校11大学、特定分野校18大学を選定いたしました。
北海道大学は拠点校として選定され、数理・データサイエンス・AI教育を全国の大学等に普及することのみならず、国際競争力のある博士課程教育の改革を行い、当該分野を牽引する人材を養成することに取り組んでいきます。
また、拠点校、特定分野校の中から、各地域ブロック(全国を9ブロックに分割)の連携・協力等を推進する地域ブロック代表校としても選定されております。北海道ブロック代表校として、北海道内の様々な大学と協力しながら、数理・データサイエンス・AI教育プラットフォーム・教育コンテンツのさらなる整備・普及・展開を図るとともに、地域コミュニティや産業界との連携を積極的に進めていきます。
文部科学省は、平成29年度「高等教育に関する政策課題のうち国立大学に共通する課題等に関する重点支援」のうち、「数理及びデータサイエンスに係る教育強化の取組」を進めています。この事業では、「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」の拠点校として、全国に6大学を選定しており、北海道大学は、この内の1校となっています。北海道大学の他には、東京大学、滋賀大学、京都大学、九州大学が選定されています。
この事業では選定された拠点校の6大学で構成する「数理・データサイエンス教育強化・コンソーシアム」によって、数理・データサイエンス教育の全国的なモデルとなる『標準カリキュラム』や『教材』等の設計について議論が進められています。
平成30年に、修士課程学生を対象として、文部科学省「超スマート社会の実現に向けたデータサイエンティスト育成事業」に採択され、「産・官・学・地域連携型のデータサイエンティスト育成事業」を開始しました 。この事業では、学生だけでなく社会人の学び直し機能強化についても提供を行います。
第四次産業革命(Society5.0)時代に向けて、我が国の競争力を高めていくためには、様々な分野・業種においてAIやデータサイエンスを駆使するデータ関連人材の活躍が必要とされています 。こうした状況を受け、多様な分野の博士号を取得した人材が協働し、社会の様々な業務において高度にデータを利活用する社会の形成を目指し、文部科学省 データ関連人材育成プログラム(D-DRIVE: Doctoral program for Data-Related Innovation Expert)が開始されました。
●産学官地域連携型人材育成基盤
北海道大学 数理・データサイエンス教育研究センターでは、産学官地域連携型人材育成基盤「北大モデル」を提唱し、インフラ維持管理等の複数の分野において、これを実施しています。
産学官地域連携型人材育成基盤「北大モデル」
この人材育成基盤により、共同研究に博士後期課程の学生が直接参画することで、「問題の所在の明確化から解決方策のデザインまでを可能とするデザイン力」を有する人材の育成を行います。
●次世代スマートインフラ管理人材育成コンソーシアム
D-DRIVE事業では、こうした産学連携の取り組みを進めるための第一のコンソーシアムとして、「次世代スマートインフラ管理人材育成コンソーシアム」を平成30年度にスタートしています。
次世代スマートインフラ管理人材育成コンソーシアム
このコンソーシアムでは、取組に賛同するインフラ管理企業やIT企業等が参画し、産学連携体制により教育・人材育成と研究を両輪で進めています。インフラ維持管理におけるデータの高度な活用に関する研究の推進と、この取組への博士課程学生の直接の参画により、次世代を担うデータ関連人材の育成を行っています。そのほか、D-DRIVEコンソーシアムの産学連携によって、社会人リカレント教育や大学の授業における社会課題解決を扱うPBLを進めています。
●様々な分野における人材育成のひろがり
本学のD-DRIVE事業においては、企業や学生が参画するために必要な制度設計をとりまとめたガイドラインを整備し、企業参画の障壁低減や、学生の行動規範の定義を行っています。このような整備に基づき、第一のコンソーシアムに留まらず、工学分野や理学分野においてコンソーシアムの設立を進めています。
こうしたD-DRIVEの取組の取組の中で、教育・人材育成、研究、産学連携による社会貢献を進めています。
『北大モデル』を実現するための取組は、『企業から提供されるサービスやものづくり』と『人材育成』が直結して未来の社会を創造する、新しい大学の教育モデルの好事例の蓄積に繋がっています。
事業の概要については、こちらのリーフレットをご覧ください